プラント施工管理はこんな仕事
「プラント」とは、建設業界で「生産設備」のことをいいます。複数の設備を持ってエネルギーや物質を製造する施設の事です。例えば、コンクリート工場では、貯蔵設備・製造設備・配管など複数の設備で構成されているのでプラントといえます。一方で、自動車工場などの場合は、通常、どれほど大きくても設備は一つです。そのため、プラントとは呼ばれません。規模の大小に関係なく、設備が複数あれば「プラント」ということになります。
プラント施工管理とは?
上記のように「プラント」とは複数の設備が組み合わさった施設です。そのため施工も複雑になり、施工管理が非常に重要になります。プラント施工管理の最大の目的は、工事がスムーズに進行することですから、そのために、さまざまな仕事をこなしていく必要があります。やることも多く、非常に大変な仕事ではありますが、その分、達成感ややりがいを多く感じられる仕事でもあります。
プラント施工管理の仕事内容は?
プラントをつくるときには、まず、予算や工期などの大まかな計画を立てることから始まります。それに基づいて設計をして、内部設備などの細かい部分を詰めていくという進行になります。プラント施工管理の仕事内容はそのなかでも、建設から試運転という重要なパートを担当します。より詳しい仕事内容は、図面作成・見積もり作成・施工計画の立案・工事の4大管理・品質検査および試運転に分けられます。以下にそれぞれの詳しい解説を記載しましょう。
図面作成・見積もり作成
プラントの施工管理でも、一般的な施工管理と同様に設計図を受け取ったら施工図を作成します。施工図は設計図よりも実践的な図面のことです。現場で使用するための、より詳細な情報が記載されています。この施工図を作成するには工事対象を熟知している必要があり、高度な知識を要します。プラント工事の場合、さらに専門的になりますので、専門分野の技術者とも協力して施工図を作成していくことになります。そして、施工方法に合わせて費用見積もりもおこなっていきます。
施工計画の立案
施工計画とは、工事がスムーズに進むための計画のことです。設計図や施工図をもとに立案していきます。協力会社だけではなく、クライアントも交えて工期や費用、品質、安全など多方面からの視点で具体的に各工事の作業工程を組み合わせていきます。
工事の4大管理
施工管理の中で特に重要視されているのが、工程管理・品質管理・原価管理・安全管理の「4大管理」です。これは、プラントの施工管理でも同様で、一般的な施工管理よりも、さらに高度なマネジメント能力を求められることもあります。
工程管理
工程管理は、その名称の通り工事のスケジュールの管理、調整をおこなう仕事です。工事には工期という期日がありますので、いかにそれに間に合わせるかが重要です。
品質管理
工期を守るためにスピードアップをすることもありますが、それに伴い品質が低下してしまっては、元も子もありません。工場の耐久性に問題はないか・危険な箇所はないか・製造しやすい環境になっているかなどのチェックを常に実施して、クライアントの求める品質に達していることが重要です。
原価管理
原価管理も非常に重要な項目です。いくら工事がうまくいっても、利益が出なければ仕事をした意味がなくなります。クライアント、協力会社、そして自分たち施工会社と、すべてに適正な利益が出るように調整していく必要があります。
安全管理
さまざまな管理項目がありますが、やはり、安全は第一に優先されるべき項目です。危険な化学物質・有毒ガス・引火や爆発などによる事故が起こらないように、常にチェック体制を整えておく必要があります。
品質検査および試運転
品質検査は工事がひととおり終了した時点でおこなわれます。これは設置した設備の品質が基準値に達しているかや、実際に生産したものの品質を確かめることになります。クライアントの品質基準を熟知して、それに適った製品が製造できているか、ということが最大のチェックポイントとなります。もし、不具合があれば早急に改善をして、試運転を開始します。試運転では、実際の操業を想定して生産時間や生産ロットなどを実運転に近づけていき、不具合が出ないかをチェックしていきます。
プラント施工管理のやりがいは?
プラント施工管理のやりがいは多くあります。まず、ほかの施工管理分野と比較して、高度な知識や技術などが必要となるためプラント施工管理の仕事は収入が高いことです。また、プラントはエネルギーや物資を生産するなど、社会生活の重要な部分を担うことが多く、社会貢献にも寄与できます。そして、事業規模が大きいものが多いというのもやりがいにつながります。一つのプロジェクトに数億単位、数十億単位の予算があることもあります。もちろん、大きなプロジェクトだからこその苦労もたくさんありますが、それを達成したときの喜びは非常に大きくなることでしょう。
専門知識を診につけて、プラント施工管理に挑戦
一般的な施工管理よりも、より、専門的な知識が必要となるプラント施工管理。しかし、そのやりがいは非常に大きく、社会貢献や収入アップなどが考えられます。現在施工管理の仕事をしている方で、キャリアアップを考えているのでしたら、プラント施工管理に挑戦してはいかがでしょうか。
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